岸本歯科様 親知らず専用ページ 定期点検のご報告
岸本先生 いつもお世話になっております。
親知らず専用ページ(kishimotooyashirazu.jp)は、公開したあとも定期的に、最新の医療広告のルールと照らし合わせて点検しています。今回は、厚生労働省の「医療広告等ガイドライン」(令和8年3月30日改正)と、その Q&A・事例解説書を基準に、ページの文を1行ずつ確かめました。医学的な内容は論文と添付文書でも確かめています。
このページでは、①点検の結果 ②こちらで整えた所 ③先生に教えていただきたいことをお伝えします。③は、下の白い枠に書き込んでいただくだけで、こちらに届きます。
入力のしかた
- 各質問の白い枠をタップしてご入力ください。入力した内容は自動で保存され、制作担当に届きます(送信ボタンはありません)
- 「必ず」の印が付いた質問だけでも十分です。分からないことや、確かめるのにお時間がかかることは「あとで」「不明」で大丈夫です
- 短いメモで大丈夫です。スマホならキーボードのマイクのボタンで、話した言葉がそのまま文字になります
- 途中でやめても大丈夫です。同じページをもう一度ひらけば、続きからご入力いただけます(別のスマホやパソコンからでも同じです)
① 点検の結果
- ページの土台は整っています。問い合わせ先の電話番号があり、患者さんが自分で探して見るページなので、自費の治療や症例写真を詳しく載せられる条件(ガイドラインの「限定解除」)にあてはまります。症例写真に費用やリスクを添えている点も、ガイドラインの考え方に沿っています。
- そのうえで、より安全な書き方に整えたほうがよい所が12か所ありました。多くは「数字の出典」「効果の言い切り」「自費の説明の足りない所」です。
- このうち、先生にお聞きしなくても直せる所は、こちらで直しました(②)。まだ本番には出していません。先生にご確認いただいてから公開します。
- 数字の出典や、実際の診療の流れが分からないと直せない所は、③でお聞きします。
② こちらで整えた所
左(上)が今の文、右(下)が直した文です。どれも、ガイドラインで避けるよう示されている書き方を、事実に沿った書き方に置き換えたものです。
1「きちんと噛めている人は2〜3%」
論文などで、この数字の出典が見つかりませんでした。出典を示せない数字で受診をうながす書き方は、ガイドラインで虚偽・誇大の広告として扱われます。出典があれば、③の質問3で教えてください。数字を戻せます。
根拠:ガイドライン p.8・p.10
2しびれが出る確率
Cochrane のレビュー(CD005293 など)を確かめたところ、1.75%・0.2〜1.3%という数字は見つかりませんでした。出典が確かめられる系統的レビューの数字に置き換え、舌神経のしびれも加えました。先生がお使いの出典があれば、③の質問4で教えてください。
根拠:ガイドライン p.8(調査の結果を引くときは出典を書く)
3テルプラグの効果の書き方
テルプラグの添付文書(PMDA)の「使用目的」は、止血・創面の保護・肉芽形成を促すこと・疼痛の緩和で、「ドライソケット」という言葉はありません。医療機器の効果は、承認された使用目的の範囲で書く必要があるため、添付文書に合わせました。あわせて「動物由来のコラーゲンのため、過去にアレルギーが出た方には使えない」こと(添付文書の禁忌)を加え、妊娠中に使わないことは「当院の方針として」と書きました。
根拠:医薬品医療機器等法 第66条/ガイドライン Q&A A2-14
4麻酔の見出し
「痛くない治療」は科学的な根拠がなく広告できない、と Q&A で示されています(令和8年3月に、歯科の例として更新された項目です)。「我慢させません」は結果を約束する言い方なので、先生が実際になさっていることの説明にしました。
根拠:ガイドライン Q&A Q3-22
52回法(自費)の説明・費用・リスク
自費の治療を詳しく載せるときは、治療の内容・標準的な費用・期間と回数・主なリスクと副作用をそろえる決まりです。2つの場合をまとめた「32,000〜57,000円」は、最低額が目立つ形になるため2段に分けました。名前は一般的な表記の「コロネクトミー(歯冠切除術)」に合わせています。期間と通院の回数は、③の質問5・6で教えてください。
根拠:ガイドライン p.35(限定解除の要件)/事例解説書 p.41〜44
6上の親知らずの「腫れ・痛み ほとんどなし」
埋まっている上の親知らずの方まで「腫れない」と受け取るおそれがあるため、条件と個人差を書きました。
根拠:ガイドライン p.9(受ける印象と実際の違い)
7顎関節症の質問(よくあるご質問 Q10)
「少なくありません」という量を示す根拠が無く、親知らずと顎関節症の関係は研究でも結論が分かれているためです。
根拠:ガイドライン p.10
8症例の説明の置き方
事例解説書では、複数の治療前後の写真に説明をまとめて付ける形が、避けるべき例として挙がっています。薄く小さい文字も「見落としやすい」例に当たるため直しました。症例ごとの期間・回数は、③の質問8・9で教えてください。
根拠:事例解説書 p.29〜30/Q&A Q6-11
9そのほか、正確にした所
- ページ上部の診療時間「月〜金 9:00–18:00」に、昼休みを入れました(9:00–13:00 / 14:30–18:00)
- 「放っておくと厄介になりやすい」→「生え方によってはトラブルのもとになることがあります」
- ペル&グレゴリー分類は神経との距離を見る分類ではないため、「歯の傾きや深さ(ペル&グレゴリー分類など)と、CTで見た神経との距離をあわせて」に
- ドライソケットの時期を「3〜5日め」→「2〜4日めごろ」に、「感染ではありません」→「化膿(感染)が主な原因ではないとされています」に。予防に喫煙を控えることを追加
- 糖尿病の方:「お薬を調整します」→「血糖の状態(HbA1cなど)を確認し、必要に応じて内科の先生と相談のうえ、抜く時期や感染予防のお薬を決めます」
- 骨粗しょう症のお薬:「顎の骨の治りに関わるお薬もあるため、処方している先生と相談しながら進めます」を追加
- 「何度も足を運ばずに済みます」→「診断のためだけに、あらためてお越しいただく必要がなくなります」+「抜歯のあとは、傷の確認のためにお越しいただきます」
- 症例2の見出し「左右2回に分けて」が2回法と混同されやすいため、「3か月あけて1本ずつ」に
- 食事:「普通に食べて大丈夫です」→「麻酔が切れてから、やわらかい物から食べてください」
- 保険の費用の「税込」→「保険診療に消費税はかかりません」。1割・2割負担の方の目安を追加
- 妊娠中のお薬:「妊婦さんに安全性の高いもの」→「妊娠中にも使われているものの中から」(「比較的安全」型の表現を避けるため)
「よい」「○番だけ待ってほしい」「○番はこう書きたい」など、短くて大丈夫です。③の答えを待たずに、先に②だけ出すこともできます。
③ 先生に教えていただきたいこと
実際の診療の数字や流れを教えていただければ、そのとおりに書きます。分からない所は「不明」で大丈夫です。その場合は、数字を載せない書き方にします。
- 件数の期間を「2010年4月〜2026年9月」のように月単位で書く
- その件数を、ホームページなどで公表しておく
- 医師個人の通算の件数(大学病院時代を含むなど)は、原則として載せられません。詳しく載せられるページでも、記録で裏づけられることが条件です
②〜④の場合は、ページ上部の「3,000本」を外し、「歯科医師としての経験20年」「CT完備」の2つにする案をおすすめします。
論文・教科書・学会の資料などがあれば、名前か URL を教えてください。無ければ「無い」で大丈夫です(②の1の、数字を使わない文のままにします)。
①このままでよい ②以前の数字(1.75%・0.2〜1.3%)の出典があるので戻したい(出典名を) ③当院の実績の数字を載せたい(件数と期間を) のどれかで教えてください。
例:「1回目から2回目まで約3〜6か月。通院はCTの診断・手術2回・抜糸・経過のレントゲンで、合わせて約6回」。あわせて、2回目の前に根の動きを確かめるのはレントゲン・CTのどちらか、根が動かず残したままにする方がどのくらいいらっしゃるか(分かれば)も教えてください。
別にかかる場合は、その金額を教えてください。「別途費用がかかります」と金額なしで書くのは、ガイドラインで避けるよう示されているためです。あわせて、内訳の15,000円・20,000円・お薬代が税込の金額かも教えてください。
- テルプラグ(5,500円)は、保険の抜歯と同じ日に、材料代として自費でいただく形ですか? それとも、テルプラグを使う場合は抜歯も含めて自費にしていますか?
- 2回法を選んだ方は、初診のCT・診察も含めて全部自費ですか? それとも初診のCTは保険で、2回法を決めてから自費ですか?
①親知らずは完全に骨に埋まっていましたか、一部が歯ぐきから出ていましたか ②むし歯になっていたのは親知らずですか、手前の奥歯ですか ③初診の日にしたこと(抗生物質のほかに、洗浄・痛み止めなど) ④初診から抜歯までの日数と、通院の回数(抜糸などを含めて) ⑤自己負担の合計の目安。症例ごとの「期間・回数」を写真のそばに書く決まりのためです。
①神経と接していることは、CTで確かめましたか ②「神経の問題は起こりませんでした」は、抜歯のどのくらいあとに確かめたことですか ③左右それぞれの通院の回数と、自己負担の合計の目安。
①ページの「愛知学院大学の顎顔面外科で学び」の、正式な名称(講座名など)と、在籍の期間・立場(医局員・研修など) ②医院サイトの口腔外科のページに「総合病院、大学病院の口腔外科出身」とあります。総合病院でのご勤務があれば、病院名と期間を。ガイドラインでは、経歴は勤務先・期間を含めて正確に書くことになっています。
今のページは「基本的には安定期に対応。初期は赤ちゃんへの影響、後期は出産を早める可能性があるため、原則行いません」です。「出産を早める」ことを示す文献は見つかりにくく、海外の産婦人科の学会は「必要な歯科治療は妊娠中のどの時期でも安全に行える」としています。例えば「急がない抜歯は出産後をおすすめします。痛みや腫れがある場合は、妊娠中期(16〜27週ごろ)に、産婦人科の主治医と相談して行います」のような書き方でよいか、実際の方針に合わせて教えてください。テルプラグを妊娠中に使わないのが医院の方針かどうかも、あわせて教えてください。
医院サイト(kishimotoshika.com)について
ご参考までに、医院サイトも同じ基準で点検しました。医院サイトはこちらで直せないため、気になった所だけお伝えします。
- いびき治療(ナイトレーズ)のページ:「痛くない」「痛みなし!」「副作用なし」「安全な治療」は、ガイドラインで避けるよう示されている書き方です。同じページに「喉の粘膜に軽度の炎症」ともあり、食い違っています。また、国内でいびき治療の効果として承認されていない機器を使う場合は、①未承認であること ②入手の経路(個人輸入など) ③国内で承認された同じ機器の有無 ④海外での安全性の情報 ⑤医薬品副作用被害救済制度の対象外であること、をページに書く決まりがあります(ガイドライン p.35〜36)
- 親知らずのページ:テルプラグ(5,500円)の主なリスク・副作用が書かれていません
- 料金:金属のバネがない入れ歯の金額が、インプラントのページ(¥94,300〜¥257,400)と入れ歯のページ(¥171,000〜¥257,000)で違っています。矯正の「15,000円〜+税」は、税込の総額で書く決まりです
- 言い切りの表現:マタニティ歯科の「痛みはありません」、審美歯科の「痛みを伴う心配はありません」「最高ランクの強度」、インプラントの「最適な治療」など
- 「リスク・副作用について」のページが、本文の無いまま公開されています
例:「制作会社の○○社に頼んでいる」「直す案を作ってほしい」「いまは触らなくてよい」など。
そのほか
書き終わったら、窪田に LINE で「書いた」と一言ください。医院サイトを直したときも、LINE で「直した」と教えてもらえれば、こちらで確かめます。
ご協力ありがとうございました。いただいた内容でページを整え、公開の前にもう一度ご報告します。次回の点検は、ガイドラインの改正があったときと、半年ごとを目安に行います。
点検の基準:厚生労働省「医療広告等ガイドライン」(令和8年3月30日最終改正)・「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」(令和8年3月改定)・「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」第6版(令和8年3月)。医学的な内容は、PMDA の添付文書・系統的レビュー・学会のガイドラインで確認しています。